trois fils(トロワフィス)

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【北海道蝦夷鹿、入荷しました】

冬の蝦夷鹿が終わり、少し落ち着いた頃。
また違った表情を見せてくれる、この時期の北海道蝦夷鹿が届いています。

“蝦夷鹿”という言葉だけで、
なんとなく力強い赤身、濃厚、野性味…そんなイメージを持たれる方も多いと思います。

もちろんそれも魅力の一つです。

ですが、今の時期の鹿は、真冬とはまた違います。

冬を越えた後の、どこか穏やかで柔らかい味わい。
脂に頼らず、赤身そのものの旨みで食べさせてくれる感じがあります。

個人的には、この時期の蝦夷鹿はとても好きです。

重たすぎず、けれど物足りなさはない。
噛んだ時にじわっと広がる鉄分のような旨みと香り。
そこに火入れで生まれるしっとり感。

「鹿肉ってクセありますよね?」

よく聞かれる言葉ですが、
本当に状態の良い蝦夷鹿は、ただ“クセ”という言葉だけでは片付けられない魅力があります。

もちろん野性味はあります。
でも、それが嫌な香りではなく、個性として成立している。

むしろ牛や豚にはない、静かな奥行きがあります。

trois filsでは、火入れをかなり大切にしています。

強く焼きすぎれば硬くなる。
弱すぎれば旨みがぼやける。

蝦夷鹿は特に、その少しの差で印象が大きく変わる食材です。

表面は香ばしく。
中はしっとりと赤身の水分を残す。

切った瞬間の色味、肉汁、繊維感。
そのバランスを見ながら、一皿に仕上げています。

今回合わせているのは、季節の野菜たち。

鹿の力強さを受け止めつつ、重たくなりすぎないように。
ソースも過度に主張させず、赤身の旨みを邪魔しないバランスを意識しています。

ワインとの相性ももちろん抜群です。

重厚な赤でも良いですが、
少し涼しさのある赤や、酸を感じるタイプを合わせても面白い季節。

料理とワインの温度感がぴったり合った時の蝦夷鹿は、本当に美味しいです。

ジビエというと、少しハードルを感じる方もいるかもしれません。

ですが、「ジビエ好きのためだけの料理」ではなく、
普段あまり鹿肉を食べない方にも、“美味しい”と思っていただけるよう意識しています。

実際に、初めて鹿肉を食べたお客様から
「イメージ変わりました」
と言っていただけることも少なくありません。

それはきっと、素材の良さだけでなく、
状態、温度、火入れ、組み合わせ。
そういう細かな積み重ねがあるからだと思っています。

季節が変わると、食材の表情も変わります。

同じ“蝦夷鹿”でも、真冬と今ではまるで別物。

だから料理は面白いし、飽きません。

今しかない、この時期の北海道蝦夷鹿。
ぜひ召し上がっていただきたい一皿です。

本日も皆様のご来店、心よりお待ちしております。